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第二回| 「エコハウス」と「パッシブハウス」 / 暮らしかた冒険家 presents OFF-GRID LIFE

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crosstalk
2014.08.11

暮らしかた冒険家 meets

volume 1竹内昌義×森みわ 「ガマンしない」に貪欲な家

  • Text石神 夏希
  • Photo池田 秀紀

第二回| 「エコハウス」と「パッシブハウス」

オフグリッドの暮らしに挑戦している「暮らしかた冒険家」が、『図解 エコハウス』の著書である建築家の竹内昌義さん(みかんぐみ)と森みわさん(KEY ARCHITECTS/一般社団法人パッシブハウス・ジャパン)を訪ね、エコハウスやパッシブハウスについてお話を伺います。 総電力の34%を占めると言われる住宅の冷暖房。家を見つめ直すことで、見えてくる、エネルギーのこと、社会のこと、暮らしのこと。さまざまな視点から、「ガマンしない」に貪欲な家のヒントを探します。
全八回に渡る「「ガマンしない」に貪欲な家」をめぐる対談。第二回は、いよいよ、「ガマン」しないための家=「エコハウス」「パッシブハウス」について触れます。

今よりもっと、気持ちいい方へ

竹内さんは森さんの協力を得ながら2010年に「山形エコハウス」を建てて以来、数多くのエコハウスを設計。札幌国際芸術祭では、暮らしかた冒険家のDIYによるエコハウスづくりにも協力しています。

パッシブハウスとは

風や太陽といった自然エネルギーの恵みを受けることで、設備に大きく依存することなく、快適に過ごせる住宅を目指すことをパッシブデザインという。国際的には1991年にドイツのパッシブハウス研究所によって確立された省エネ住宅のスタンダードを指す。条件は「年間の冷暖房負荷が各15kWh/m2以下であること」「気密性能として50Paの加圧時の漏気回数が0.6回以下であること」「一次エネルギー消費量(白モノ家電を含む)が120kWh/m2以下であること」の3つ(日本式のC値で0.4cm2/m2前後、Q値では日射取得状況にもよるが北海道で0.5相当、中四国では1.2相当)。一言でいえば「どのような気候特性であっても、住宅一軒に対し6畳用エアコン1台で夏も冬も快適に保つことができる」家のこと。

エコハウスとは

地域の気候風土や敷地の条件などに合わせ自然エネルギーを最大限に活かし、環境に負担をかけない方法で建設する住宅。環境省エコハウスモデル事業は「環境基本性能の確保」「自然・再生可能エネルギー活用」「エコライフスタイルと住まい方」の3つを掲げている。一般的な木造住宅の場合、住宅の建設時・解体時に発生するエネルギー消費量を、住宅の運転中に発生するそれが圧倒的に上回ることは意外と知られていない。エコ建材のみならず、家の燃費にこだわることが大切。

竹内:女の人がよく、「体が冷える」というじゃないですか。それは、家が寒いから。手や足が冷たいのは家のせいなんです。

人間は常に体から熱を発しています。その際、周囲の環境と熱のやりとりしながら生きているので、その温度差の負荷がやわらぐと体の負担が減り、快適に感じられるのです。
体感温度=(室温+表面温度)÷2。つまり室温20℃の部屋にいても、壁の温度が10℃なら体感は15℃にしかなりません。室温30℃、壁の温度10℃でようやく体感20℃。顔は火照るが体感温度としてはギリギリ寒くないかな、という感じ。

竹内さん

竹内:ところが断熱材が効いていれば、20℃の室温がそのまま、20℃の体感温度になるんですよ。みんな“ひんやり冷たい”フローリングに慣れているから、足が触れたときに、「あれ、床暖房してる?」と感じるような気持ちのいい床になります。

夏はといえば、冷房で室温を20℃に冷やしても、屋根や西日の当る外壁が40℃なら、体感温度は30℃。これも断熱で外の熱気を遮ることによって、天井の表面温度と室温を近づけることが可能です。

森:断熱ってローコストで、夏も冬も効果がてきめんなんです。これまでの日本の家は、空気の温度を無理やりコントロールする「エアコンハウス」。でも壁や窓がきちんと断熱されていると、表面温度=室温に近づく。すると温度設定が緩和できる。その方がずっと、質の高い暖かさ・涼しさが得られるんです。壁の表面温度を整えることを、ラジエーション(放射)・コントロールというので、私は「ラジコンハウス」と呼んでいます(笑)。

エコハウスやパッシブハウスがもたらす「暮らしの心地よさ」は、質の高い体感温度だけではありません。

竹内:印象的だったのは、【ハウスM】(2011年、山形県山形市)のお施主さんの言葉。「テレビがリビングの真ん中にあるのが普通だと思っていたから、ストーブが中心にあることに最初は違和感があった。でもテレビよりも、ストーブの火を見ている生活の方が豊かだわ」って。

ハウスM

ハウスM

ハウスM(2011年)。山形エコハウスやパッシブハウスの性能に準じながらも、リーズナブルな予算に収めたスタンダードモデル。

竹内:「豊かさって何だろう?」という話なんです。感覚を研ぎ澄ましていったら、ずっとテレビを見てはいられなくなっていく。
【ハウスM】は外に垣根を張り巡らせて、夏はそこにタープを張って過ごしているんだけど、本当に気持ちよくて。薪割りさえもBBQしながら、ひとつのレクリエーションとして楽しんでいる。本当に楽しそうですよ。

つづく