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第八回|上の世代からのバトンを受け取り、循環をつくるための準備を / 暮らしかた冒険家 presents OFF-GRID LIFE

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crosstalk
2014.10.09

暮らしかた冒険家 meets

volume 3暮らしかた冒険家×後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)音だって未来だって“選べる”

  • Text鈴木 絵美里
  • Photo伊藤 菜衣子, 池田 秀紀

第八回|上の世代からのバトンを受け取り、循環をつくるための準備を

今回、暮らしかた冒険家が訪ねたのは、バンドASIAN KUNG-FU GENERATIONのフロントマン、ゴッチこと後藤正文さん。音楽のみならず、2011年からは未来を考える新聞『THE FUTURE TIMES』を制作、無料で配布するなど、30代ミュージシャンきってのオピニオンリーダー的な存在です。これまでにも、脱原発の音楽イベント『NO NUKES』の現場などで交流を深めてきた暮らしかた冒険家と後藤さん。自身のライブステージにも太陽光エネルギーを用いている彼とともに、今回は21世紀を担う世代の「豊かさ」や「お金の使い方」、「伝え方」のおはなしをじっくりしてきました。ちなみに取材は、北海道で開催されている『RISING SUN ROCK FESTIVAL「BOHEMIAN GARDEN」に後藤さんがソロで出演された後に行われました。そんなフェス会場の熱も少し帯びたキャッチボール、どうぞお楽しみください。
大きな戦争を経験した昭和から平成。そして時代は21世紀へ。世界的な気候変動も経験しているいま、私たちの生きている世界はさまざまなフレームが変化し続けています。ここからは70年代後半から80年代に生まれた世代のお話。20世紀からのバトンをスムーズに受け取る方法とは?

菜衣子:後藤さんはよく「ロストジェネレーション」など、自分たちの世代についても言及されていて、今日はそういったこともお話ししたいです。
自分たちが次の世代、社会をつくっていくということになんかすごく自信が無いという感じってしませんか?未だに20世紀をつくった人たちのルールで、20世紀をつくった人が権力を握ってやっていて……いろんなことを「できない」と感じてしまう。
でも、上の世代と話していると、もしかしたら私たちは、上の世代がバトンを渡そうとしているのに、そのバトンを受け取る気概がない、というふうにも見えるのかなあ、と思っていて。
だからこういうエネルギーの話とか、どうやったら当事者になれるというか、自分たちの世代が作ってできるんだろうってことを、よくモヤッと考えるんです。

後藤:うん、それはもうね……本当に難しいけれど。でも「仕事をつくろうぜ」とは思うね。僕たちの周りとか、インディーのミュージシャンは状況が厳しいけれど、自分はそういう人たちのための場作りをしたいな、って思っている。才能のある人に仕事を振りたい。そうやって循環させていくしかない。自分がメジャーのレコード会社からもらってきたお金を、ちゃんと才能があるヤツらに振っていいものをつくっていく、っていう流れを整えていく。そういうこともとても大事なんじゃないかなあ、と思って。

菜衣子:うんうん。

後藤:なんだかんだ理想だけ言ってもね、ゴリッとプラグマティックなもの、たとえば生活とかっていうのは迫ってくるんだよね。でも、みんなが生活だけに忙殺されないで、お金も機会もそうだけど、いろいろと流れていくように整えるというか。音楽の仕事とかもコンピューターに取って代わられたりするわけじゃない?社会的な潮流としても、全体的にサイズダウンしましょうっていう流れもあるし。

菜衣子:ありますよね、そういう空気感は。

後藤:でもそうじゃなくて「仕事つくっているヤツはえらい」っていう空気はあっていいんじゃないかと思うんだよ。誰かを雇ってる人はえらいなあ、って思うもん。僕もたまに「弟子とかとってみようかなあ…」とか妄想したりするの(笑)

菜・ジョ:(笑)

後藤:でもそうすると、年間いくらその人に払おうかなあ、とか思うわけですよ。で、計算すると、結構もってかれるなあとも思って(笑)。でもきっとちょうどスキルがついてきた頃に「自分、独立します」とか言うんだろうなあ、とかね(笑)。でも、そういう面倒くさいことをわかっていながらやっている社長さんたちがいるわけだよね。そういう起業家っていうのはすごくえらいなあ、って思う。

菜衣子:私たちもずっと東京に住んでいたけれど、震災後に熊本へ行ったら、家賃が3分の1になって。3分の1ってでかいですよね。だったら浮いた分、気持ちいいところへお金を回そうって。スーパーに比べたら高いけど有機野菜買おうとか、がんばってる若い子に仕事を発注しようとか。ただ高い家賃を払って夫婦でワンルームに住んでいますとかではなくて、削れるものは徹底的に削ったりしてもっとクリエイティブなやり方があるんじゃないかなぁ。

後藤:うん、そういう感じで、音楽とかもいいものが「選ばれていく」世の中になってほしいなあ。能動的じゃなく、空気で選んでいる人が多いと感じる。別に僕は、自分の好きなものをみんなが好きじゃなくてもいいとは思っているけどさ(笑)。

菜衣子:でも、広告業やっている我々としてはその空気こそをつくりたいって思います。

後藤:やっぱり最も世の中に影響力あるクリエイターっていうのは、宣伝とか広告やっている人だなって思う。そういう人たちがどういうふうに考えているかっていうのはものすごく大事だよね。僕たちミュージシャンのやっていることは、そこまで社会でお金を使わせることを煽ったりする類のものでもないし。何かしらの“フィーリング”には訴えかけているつもりだけど。そういう効果のほどってどんなものなのかな。

菜衣子:あのサンステージ(※ライジングサンロックフェスティバルの最大のステージ。このインタビューは後藤さんが東京スカパラダイスオーケストラのステージに飛び入り参加した直後に行われました)であれだけの人々の前で演奏した後にものすごく冷静な意見(笑)。でも、なるほど。

つづく