第一回 大家、エネルギーについて考える。
まずは、青木さんの華麗なる大家っぷりをご紹介します。
青木さんは、東池袋の「ロイヤルアネックス」と練馬の「青豆ハウス」、2つの物件の大家さんです。
豊島区・東池袋のロイヤルアネックス。青木さんがオーナーをつとめるこのマンションでは、入居者が好きな壁紙が選べます。「もともと張り替えるものだから」と費用は大家である青木さんが負担。ちなみに青木さんも一緒に選んでくれます。さらにはリノベーションまで相談できます。賃貸住宅を自分風にカスタマイズして住めるなんて、今までの賃貸住宅事情では考えられなかったことです。
「一般的、安っぽい、同じような、つまらない、穴ひとつ空けられない」と窮屈だった日本の賃貸住宅に風穴を空ける超画期的大家として、今までの常識をひっくり返しました。ラブ!
もう1つの物件は、練馬区・平和台の「青豆ハウス」。こちらは新築賃貸物件として、建築設計段階から青木さんが関わっている物件です。
建設中から、入居を検討している人、ご近所まで一緒に楽しめるイベントを開催するなど、共同住宅を「まちの一部としての住まいとして育てる」がコンセプト。住人が壁ぬりワークショップをして自分が住む家の壁を好きな色に塗ったり、キッチンの素材を選ぶなど、「賃貸住宅の暮らしの自由」がさらに広がった物件。横並びのメゾネットタイプの8世帯が並ぶコミュニケーションがしやすい建物もポイント。ちなみに、青木さんも家族と青豆ハウスの一室に居住中。大家さんが一緒に住むという賃貸物件でもあります。
どちらも満室御礼、さらには空室待ちの列が後を絶えません。
賃貸住宅の暮らしの自由をひろげてくれた大家さん。
わたしたちに「オフグリッドに生きる」ための賃貸住宅を下さい!!
青木:ええー(笑)。
正直、僕はエネルギー問題、あまり詳しくないし、正直、いままでアンタッチャブルなジャンルでした。
そうだね……たとえば、青豆ハウスは窓が大きいから、夜帰ると各家庭の光が暖かく見えてね。それが太陽光の電気だったらすてきだなぁって思うよ。
でも、それで即、太陽光パネルを設置するのは、ちょっと違う気がする。そもそも僕が勉強不足っていうのもあるけど、エネルギーを自然エネルギーに変えたら、それで住まいが幸せになるのかなぁ?
エネルギーの好みも個々に好みが分かれそうだからね。壁紙と違って、エネルギーは各部屋好きなエネルギーにカスタマイズっていうのは共同住宅として難しい。それに大家さんも稼業だからコスト面も考えなければいけないから一概に踏み込めないかな。
青豆ハウスは、今は電気とガスをひいています。太陽光パネルを設置する?って話しもあったけれど、ハードルが高くて。そこに労力を使うより、もっと楽しくて、できることをやろうと思ったんだ。
あ、そうだ、僕ね、最近、青豆ハウスに「ピザ窯」作ったんだ!
え。
……エネルギーの相談から、大家さんから出てきたアイテムは「ピザ窯」。
ていうか、賃貸住宅にピザ窯作ったんすか……?!
アメイジングな大家さんの斜め上いく提案で、大家が考える暮らしのエネルギー、賃貸住宅に「ピザ窯」を作った話に続く。
(第二回に続く)